4月になるとやってくる狂犬病ワクチン接種のお知らせハガキ。
それと同時にフィラリア予防に、ノミ・ダニ予防とやることいっぱいです。ダニに対しては最近(?)ちょっと怖いなと思うことがあります。
それは、マダニから感染するSFTS(重症熱性血小板減少症)です。
SFTSはSFTSウイルスを保有するマダニに咬まれることで感染する人獣共通感染症で、犬・猫、そして人も罹患します。
2025年6月にSFTSに罹患した猫を治療した獣医師(70代男性)が感染し死亡するニュースに驚愕しました。
前々から高齢の方がSFTSにより死亡していることは知っていたので、対岸の火事に思っていたところに風向きが変わってあわあわと不安に駆られてしまいました。
ということで、ぼんやりした知識ではなくSFTSを知って対策を立てようと調べてみることにしました。
SFTSが日本で確認されたのは2013年で、農業、林業従者、家庭菜園をしている方の罹患が多いです。2013~2025年までの統計では、患者届出数1185例のうち死亡例126例(10.6%)となっています。男女比はほぼ同等で年齢中央値は75歳。60歳以上が90%を占めます。
致命率は10~30%で、高齢者(50歳以上)は重症化しやすく死亡例も多数出ています。(ちなみに、致命率とはその病気に感染して病気の症状が出た人の中で死亡する割合です。致死率はその病気に感染したが症状が出ていない人も含めての死亡する割合なんだとか・・・。)
刺し口が認められないSFTS症例が半数以上にのぼるそうなので、マダニに咬まれていないと思っていても、症状が出てダニに咬まれるような場所に行った覚えがある場合は早めに病院を受診した方がいいかもしれません。
症状は、発熱、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、下血、頭痛、筋肉痛、神経症状、リンパ節腫脹、出血症状などです。潜伏期間は6~2週間で、発症する頃には心当たりを忘れていそうで厄介ですね。
犬・猫と暮らす人にとって怖いのは愛犬・愛猫がSFTSに感染してしまうことです。
そして愛犬・愛猫を看病したことでSFTSに感染してしまうかもしれないことです。
唾液、糞便、尿中からウイルスが排出されており、体液に直接触らないように気を付ける必要があります。2025年までに動物医療従事者の感染が12例あり、うち1例は冒頭で書いた亡くなられた獣医師です。動物医療従事者と同じくらい飼主も感染しています。
2024年にはヒトからヒト(患者→医療従事者)への感染が確認されていますので、愛犬・愛猫を看病して体調が悪くなった飼主さんの家族も気を付けないといけないですね。
犬と猫の感染数は、イヌ12匹、ネコ269匹(2020年集計)と猫の方が圧倒的に多いです。要因として外飼い猫にあると考えられます。室内だけの生活の場合は感染のリスクはほぼゼロですが、外に出てしまうと草むらに潜るし、ノミ・ダニ予防していたとしても他の猫と接触する機会もあり、ネコからネコへの感染の可能性もあります。
致命率も犬は29%ですが、猫は60~70%と高く猫の方が重症化しやすいようです。
犬の感染数は横ばいですが猫は年々増加傾向にあります。
犬に関しては、普段の散歩コースはだいたい大丈夫だと思います(絶対大丈夫とは言えませんけどね)。マダニの種類により違いはありますが、SFTSウイルスを保有するマダニは5~15%程度だそうです。(2013年度調査時)
気を付けなければならないのは、登山などいつもと違う草の生い茂ったところに行く時です。飼主とトレッキングに山に行って罹患したというケースがあります。マダニに咬まれた痕跡はないものの犬が痒がっており、数日後に発熱と食欲低下の症状で治療し回復したそうです。
SFTSは年々患者数が増えています。西日本に集中して発生していたのが、全国に広まってきました。3月~5月が一番多いのですが、温暖な地域では冬季でも発生が確認されています。
温暖化によるマダニの活動期間の延長、シカやイノシシなどの増加により生息地域の拡大が考えられます。渡り鳥なら北海道まで行けますし、北海道でも2025年に1件確認されています。
SFTSも怖いですが、マダニ由来の感染症に日本紅斑熱やつつが虫病があります。こちらも増加傾向にあるそうです。
予防としては、草むらに入るときは長袖、長ズボン。虫よけスプレーとありきたりですが、これが大切なんだと思います。
帰ってきたらすぐ着替えてダニが付着していないかチェックすることも必要です。
予防して気を付けるぐらいしか対策はありませんが、調子が悪くなったら病院に行けるように(心の)準備をしておくのもいいかもしれませんね。
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