『飼いやすい』犬はいない

ペットショップの店員さんが、「ダックスは飼いやすいですよ』と言うので飼ったけど、

吠えが目立って困るなどの相談を受けます。

他にも、「小型犬は運動少なくていいので、散歩行かず室内歩かせるだけでいいから飼いやすいですよ」とか、「プードルは賢いのでトイレのしつけなどすぐ覚えて飼いやすいですよ」などなど・・・。

確かにダックスは賢いし、人に従順な仔が多いしので指示系統を教える分には飼いやすいかもしれません。しかし、吠えやすい犬種であるという性質があります。

ただ、これも住む環境によっても左右されるし、しつけ方で変わって来る場合もあります。

例えばその方が住んでいるところが田舎で、犬が吠えても問題ない環境であれば、吠えることに対して問題だとは思わないかもしれません。むしろ吠えてくれて番犬になるので吠えることが推奨されます。

この場合ですと、ペットショップの店員さんの『飼いやすい』がまさに正解と言えます。

逆に、都会住まいの場合は吠え声に対して近所に気を使うため、問題と感じるかもしれません。この場合は、ペットショップの店員さんの『飼いやすい』は当てはまりません。

自分が思っている『飼いやすさ』と、他人が言う『飼いやすさ』は違うかもしれないのです。

ペットショップの店員さんは何に対して飼いやすいと言ったのかを深く探る必要があります。（ただマニュアル通りの接客で特に考えていないのかもしれませんが・・・）

私も犬は、他の動物（サルやミニブタなど）より飼いやすいと思います。

（サルやミニブタなどを飼っている方からしたら犬の方が飼い難いと思われているかもしれませんが）

飼いやすいけど、生活環境に合わせた犬選びや、ちゃんとしつけをしないと飼い難くて、人も犬もお互いがストレスになるかもしれません。

『飼いやすい』犬なんていないのです。

けど、生き物を我が家に迎えるにあたって、飼育の知識を持って、生活環境を配慮して、覚悟を持ってお迎えすれば、「犬ってなんだこんなにも飼いやすい動物なんだっ」てなります。

何もしなければ、飼いやすいはずの犬はものすごく飼い難い犬になります。

もし、犬が欲しいなぁ～と思ったら、生活環境や周囲の協力体制なども考慮して

御自身に合った犬を選んで下さい。

良く分からないからとりあえずペットショップでもいいですが、その日のうちに決めないで欲しいです。何回か通って、スタッフさんと話して頼りになる人か見極めて欲しいです。

私個人の意見としは、どの犬も飼いやすいと勧めてくるスタッフは信用が置けません。

その犬の悪い面も伝えてくれたり、しつけることは簡単ではないこともちゃんと話してくれる人だと信頼できると思います。

あとは、飼う前から私（トレーナー）に相談というのもお勧めです。

飼う前から準備することはとても大切です。

「犬を飼いたいなぁ～」と思ったら一度御相談下さい。

その方の家庭環境などを考慮した犬選びのアドバイスや、犬無しレッスン（この場合は飼い主さんに講義やお話がメインとなります）もさせていただきます。