しつけ教室で飼主さんと愛犬の関係性に変化を与える一つの手として、犬とのスキンシップを控えてもらうことがあります。
皆さんやさしいので、留守番ばかりさせているから、家にいる時ぐらいはと思って愛犬をつい気にかけたり、わざわざかまいにいっていませんか?
訓練士の立場から言えば、スキンシップし過ぎです。充分足りているので無理にかまわなくて大丈夫です。
極端なことを言えば、食事と散歩や手入れにトレーニングなどの必要最低限のお世話だけで充分です。
それはさすがにキビシイと思われた方は、普段のスキンシップの量を意識して減らすところから頑張ってみて下さい。
スキンシップを減らしたことへのメリットとしては、
①人に対しての甘咬みが減る
②犬の触られてイヤなところを触った時に咬みにくる勢いが弱まる
③要求吠えをしてもあきらめることが早くなる
④号令などの指示が通りやすくなる
⑤興奮する頻度が減る
などです。
なぜスキンシップを減らした方が上手くいくのかというと、
①スキンシップをとる→嬉しい→だんだん興奮してくる→甘咬み発生 という構図が回避できます。
②常に触られている状態だとちょっとしたイヤだと思うことは簡単にイヤだよと主張しますが、なかなか触ってもらえないでいると、触ってもらえる機会を貴重に思い、ちょっとしたイヤなことでもイヤだと主張するよりも触っていて欲しいの方が勝るはずです。ただし本当にイヤなところはイヤだと主張しますのでお気をつけください。
③自分のことをいつも気にかけてくれていると分かれば家族への甘えが強まりますが、気にかけてもらえる時とまったく気にかけてもらえない時があると理解すると、今は頑張っても報われそうもないからあきらめるかと要領よくなります。
④常にかまってもらえる状態であれば、飼主の指示を無視したって飼主が許してくれるからいいよねと聞き流すこともありますが、寂しい状態の時は、飼主の声かけに敏感に反応し、飼主に褒めてもらいたくて指示も無視せずに従うことが増えます。
⑤スキンシップを減らせば興奮することも減り、人の手を咬む、暴れる、いたずら噛みをするなどの頻度が減ります。
そのためにまずは、
・「おはよう」、「ただいま」のあいさつを真っ先にしないで下さい。犬が嬉しそうに出迎えても無視(がキビシイ場合は軽く声かけのみ)です。15~30分ぐらい放置し、犬が落ち着いた頃にあいさつしてもいいししなくてもいいです。
・サークル越しにスキンシップする場合も、犬が甘咬みしたらすぐ去ります。
・サークルから部屋に出すときも、部屋に出したもののとくに交流しません。同じ空間にいるだけを心がけます。ただしイタズラ噛みや粗相などの失敗を防ぐために監視に近い見守りは怠らないようにお願いします。
もし犬がかまって欲しくて甘咬みしてきたら容赦なくサークルに戻しましょう。
このトレーニングはどちらかと言うと、人間側の精神力が試されます。
カワイイ盛りの犬とのスキンシップをおあずけしなくてはいけないのですから。
無期限だと頑張れませんが、とりあえず1週間頑張ってみて下さい。
何かしら、ちょこっと良い変化があれば、効果ありと思ってもうちょっと続けてみましょう。
私の口癖ですが、「スキンシップよりもしつけを優先」です。
しつけが出来ればスキンシップはいくらでもできますので。
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