猫が食べてはいけない食べ物、注意が必要な食べ物

<ねぎ類>

タマネギや長ネギに含まれるアリプロピルジスルフィドは、猫の血液を壊す作用があります。

加熱しても破壊されないためネギの入った味噌汁などで

ネギを取り除いても成分が残っているため煮汁も与えないでください。

多量に摂取すると急性中毒で、赤から暗褐色尿(ヘモグロビン尿)がみられ、

血管内での溶血や赤血球の破壊により貧血や黄疸もみられます。

その他、元気の消失、下痢、嘔吐など。重症の場合、輸血が必要な場合もあります。

体重1㎏の猫で5gぐらいで危険だそうですが、

少量でも反応する場合もあるし平気な猫もいるので個体差はあります。

目安としてタマネギ1個が200gぐらいだから、4㎏ので約1/10カット分で危険です。


<チョコレート類>

チョコレートに含まれるテオブロミンによる中毒で、

嘔吐、下痢、多尿、興奮、不整脈、発熱、運動失調、筋痙攣、発作などがみられます。

重症では、昏睡から死にいたることもあるそうです。

チョコレートの種類によりカカオの含有量も変わるため、

どの種類のチョコレート菓子を食べたかにより対処も変わります。

ホワイトチョコ・ミルクチョレートはカカオの含有量が少なく、

ブラックチョコ、高カカオチョコレートは要注意です。

体重1㎏あたりデオブロミン250~500㎎で危険とされていますが、個体差はあります。

目安として、板チョコ(約50g)のミルクチョコレートの場合は、

5㎏の猫の場合1枚全部食べてしまうと危険です。


<アルコール>

猫も人のように千鳥足になったり酔っぱらった状態になりますが、

猫はアルコールを分解できないので体内にアルコールが残ってしまいます。

呼吸回数の低下により呼吸困難となりそのまま昏睡状態に陥って

死亡してしまうこともあるそうです。

アルコール度数が10%のお酒の場合、体重1㎏の猫で、約50mlで危険です。

ウイスキーなどのアルコール度数の高いものは少量でも危険といえそうです。


<コーヒーなどカフェインの含まれている飲み物>

落ち着きがなくなる、嘔吐、下痢、尿失禁、頻尿などの中毒症状が現れます。

重症だと異常な興奮状態からけいれん発作を起こして死んでしまうこともあるそうです。

体重1㎏の猫で150mlのカフェインが致死量ですが、個体差はあります。

レギュラーコーヒーおよそ150mlに含まれるカフェインは100mlですので、

コーヒー1杯分飲んだら危険ですが、エスプレッソや、コーヒー粉末の場合は少量でも危険かもしれません。

カフェインが含まれているものはコーヒー以外にも、紅茶、ココア、コーラ、お茶(玉露)などがあります。


<アワビ、サザエ、トリガイ、トコブシなどの貝の内臓>

これらの貝の内臓食べることと、猫が日光に当たることで「光線過敏症」を発症します。

アワビなどの内臓に含まれるピロフェオホルバイドaという成分は光により活性化されるため、体毛の薄い耳は症状が出やすく、腫れや発疹などの症状を起こします。耳を掻きむしり、ボロボロになった耳は最悪壊死して取れてしまうことがあるそうです。


2月から5月の春先のアワビの内臓(ウロ、ツノワタ、トチリと呼ばれている)が特に有毒で、 東北地方では「春先のアワビのツノワタ(内臓)を食べさせるとネコの耳が落ちる」という言い伝えがあるそうです。 春先のアワビのツノワタを食べたネコはうるしにかぶれたようになり、かゆいためかよく耳をかき、耳がなくなってしまった猫もいたのかもしれません。


ちなみに、この症状は人間にもあります。人間の場合は、日光の当たりやすい顔面や手などに炎症が起こり、回復するまでに20日程度かかるそうです。

摂取量については、猫も人間も、どのくらい食べると危険なのかはっきりしたことは分かっていません。


<薬>

猫用にしろ、人用にしろどんな薬をどれだけ飲んだのかにもよりますが、

まずは獣医師に相談し、適切な処置を受けることをお勧めします。

薬は成分が凝縮されている分、緊急性が求められます。




[与えすぎたり、与え方に気を付けたいもの]


<生食用でない肉>

生食用の肉は生食用に安全基準をみたしているので問題ないです。

生食用ではない肉を加熱しないで与えると

細菌や寄生虫などの感染により食中毒や体調を崩す可能性があります。

加熱すれば問題ないです。


<生の卵白>

卵白にはビオチンの吸収を妨げるアビジンが含まれているので、

生の卵白を食べるとビオチン欠乏症になる恐れがあります。

ビオチンは皮膚・被毛・健康維持にかかわりのあるビタミンで、

不足すると皮膚炎、脱毛、食欲不振などの症状が現れます。

アビジンは熱に弱いので、加熱すれば問題ないです。

もし猫が生卵を食べてしまったとしても、1日ぐらいでしたら問題ないです。

ビオチン欠乏症になるのは、毎日生卵を1個以上食べ続けた場合です。


<生のイカの内臓>

イカの内臓にはチアミナーゼという酵素が含まれており、ビタミンB1を分解する働きがあります。多量に摂取するとビタミンB1欠乏症になります。症状としては、食欲の低下、よだれが多くなる、ふらついて上手く歩けないなどです。「イカを食べると猫が腰ぬかす」なんて言われることがありますが、毎日大量に食べなければ大丈夫です。


チアミナーゼは熱に弱く加熱したら問題ないのでスルメなら大丈夫かというと、イカ自体が消化しにくい食材であることに加え、乾燥したスルメが胃の中で水分を含み膨れ胃腸を詰まらせる危険性もあるので、与えすぎは危険です。


チアミナーゼは、イカ以外にもタコ、ホタテやハマグリなどの二枚貝にも含まれています。与積極的に与える必要はないのですが、与える場合は加熱するようにして下さい。



<青魚やマグロ>

毎日大量に食べなければ問題ありません。青魚やマグロに多く含まれている不飽和脂肪酸の過剰摂取により、下腹部の皮下脂肪(プライモーディアルポーチ)が黄色く酸化し炎症を起こします。

この症状を黄色脂肪症(イエローファット)と言い、しこりができたり、しこりの発熱、歩き方がおかしい、腹部を触られることを嫌がります。

ちなみにサバが一番不飽和脂肪酸を含んでいます。


別の意味で気を付けたいのがマグロです。

マグロの刺身を食べて、ヒスタミン食中毒になることがあります。

マグロに限らず生の魚を常温で長時間放置すると細菌が繁殖しヒスタミンという物質が増殖します。ヒスタミンが胃腸で炎症を起こし、生の魚を口にしてから2~3時間以内に下痢や嘔吐、めまい、じんましんなどの症状を引き起こします。


ヒスタミン食中毒は人間にも起こります。

生魚の常温での放置は危険です。できるだけ早く食べてください。



<レバー>

1週間に1回程度で充分です。

与えすぎるとレバーに豊富に含まれるビタミンAが原因で、ビタミンA過剰症になります。

下痢や嘔吐、骨の変形といった症状がでることがあります。


<牛乳>

牛乳には乳糖が含まれており、乳糖を分解できない猫は下痢になりやすいです。

猫用のミルクや、ヤギミルクは乳糖が含まれていませんので、与えても大丈夫です。


<ぶどう>

どのような成分をどれだけ摂取したら猫に害を起こすのかは解明されていませんが、

平気な猫もいれば、猫によっては急性腎不全を起こすことがあります。

元気の消失、嘔吐、水を多飲する、尿がよく出る、または出ない、

腎臓の痛みで背が丸くなるなどの症状があらわれます。


<アボカド>

アボカドに含まれるペルシンが嘔吐、下痢、呼吸困難などの

中毒症状を起こすと言われています。

動物により致死量は異なりどれぐらいで危険かはまだ解っていないようです。

一方で、ベルシンはウサギ、鳥、馬などには危険だが、

犬や猫には害はないという説もあります。

他にも、アボカドはたくさん品種があり、

品種によりベルシンの量がちがうという説もあります。

物理的な理由では、種を丸飲みして詰まることが危険だともいわれています。

たった一口でも反応してしまう猫もいれば、

手作りごはんとして食べて元気でいる猫もいるので

個体差によってかなり反応が分かれるようです。

アボカドが食物アレルギーで反応する場合もあります。

症状は、口腔内の腫れや痛み、喉の腫れによる呼吸困難や、唇の腫れや顔の浮腫、

じんましんや腹痛、胃痛など出る症状や度合いには個体差があります。

アボカドでアレルギー反応が出た場合は、ラテックスフルーツ症候群である可能性が高く、

他の関連するフルーツもアレルギー反応が出る可能性があるので気をつけた方がいいかもしれません。

(ラテックスフルーツ症候群、ラテックスアレルギーとは、ラテックス(天然ゴム)成分がアレルゲンとなるアレルギーです。

ラテックスフルーツ症候群とは、ラテックスにアレルギー反応を起こしてしまう犬が、

特定の果物(野菜)にもアレルギー反応を起こしてしまうことです。

特定の果物(野菜)がラテックスの分子構造が似ているため、ラテックスと同じようにアレルギー反応が起きると考えられています。

アボカド、キウイ、バナナ、栗、イチジク、メロン、桃、トマトなど。

他にも例えばトマトで反応した場合、同じナス科のジャガイモでもアレルギーを起こす可能性があります。)



<ナッツ類>

猫にナッツ類を避けた方がいい理由としては、丸のみして窒息してしまう可能性があるからのようです。他にも、脂肪分が多く含まれているため肥満の原因になるためです。中毒症状も出るかもしれませんが、一過性のようで重症化することはないようです。


<人用の煮干しなどの小魚>

これも塩分が多いためです。一度湯通しして与えるか、人用でも無塩の商品を選ぶのがいいと思います。

猫用の煮干しは、真水で塩分を取り除いています。


<人用のヨーグルト>

ヨーグルトは乳糖が分解されているとはいえ、牛乳で下痢になる場合は一応様子を見て与えるようにして下さい。

与える場合は、砂糖の入っていないプレーンヨーグルトにしましょう。


<人用のチーズ>

カロリーが高いので与え過ぎに要注意。

これも人用のチーズを与えるなら低脂肪のチーズにしましょう。



まとめ

猫に与えない方がいい食材も、ある程度の量を食べてしまうと危険ですが、

少量なら様子見でも大丈夫そうです。

調理中に落ちてしまって一かけら食べられたぐらいなら問題のない量ですので、

食べたからすぐ獣医にいかなきゃと焦らずに冷静に対応することが大切です。

どのくらいの量食べたのか、猫の様子はどうかを

観察してから獣医師と相談してもいいかと思います。

ただ、あきらかに様子がおかしい、

少量でも危険なものを飲んでしまった場合は

すぐ獣医師と相談して適切な処置を受けて下さい。


楽助

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