犬を飼ったら、スキンシップよりもしつけ。外に出て社会化を



皆さん犬のしつけは大切だとがんばっていらっしゃるのですが・・・、

がんばる力の入れ方(順番)が違うんだよなぁと思うことが時々あります。


しつけをざっくり4つに分けて考えると分り易いかなと思います。

「社会化」「しつけ」「主従関係」「訓練(トレーニング)」です。



社会化とは、人間の生活環境に適応するための経験を積み重ね、馴化することです。

簡単に言えば「慣れ」です。

人に慣れる、犬に慣れる、車や騒音に慣れるなど、過剰に怖がらずに日常を普通に暮らしていくために必要な社会化勉強です。


しつけとは(ここで言う私の解釈ですが)、お行儀や家族のルールなどのことです。

人の手を咬んではいけないことや、家具など齧ってはいけないものを教える。

独りでいることや留守番することを受け入れる、

トイレの場所、寝床の場所、家族の生活リズムなどを教えます。



主従関係は(私の解釈ですが)、

「ちょっと人間の方が優位だけど、お互い尊重し合った関係を作ること」です。

お互い尊敬しつつも人間の方がちょっと優位でないと、犬を叱る時に素直に受け入れてくれませんし、犬がピンチの時に頼られる存在になれません。

逆に人間の方がちょっと劣位だと、犬を叱っても反発もしくは反撃されるかもしれませんし、頼ってもらうどころか犬が飼主を守ろうとするようになるかもしれません。



訓練(トレーニング)とは、オスワリ・フセ・マテなどの指示を教えます。



しつけのがんばる順番についてですが、

犬を初めて飼う人がやりがちな、しつけをする上での力の入れ具合(しつけの重要度)は、「訓練→しつけ→社会化→主従関係」の順になっていることが多いです。

オスワリやマテなどは上手にできるのですが、それ以外がなかなかうまくいかないと悩んで相談にいらっしゃいます。


私が重要だと思う順番は、「しつけ→社会化→主従関係→訓練」です。

ぶっちゃけ、オスワリやマテはできなくてもいいです(できた方がいいけど)。

オスワリなどの号令は(成犬になっても)いつでもできます。

それよりも「人に咬まない、無駄に吠えない、トイレの場所を覚える、社会化勉強をする」などを優先して取り組むことが重要です。

家にいるときは犬との交流は二の次で、ナーバスなぐらいトイレを失敗させないように犬を見守るだけ。そして社会化勉強のために必要以上に外に出る機会を作る。犬の(しつけの)ために犬との楽しい時間はしつけが完了するまでお預けにして取り組むことをお勧めします。時には犬のしつけが順調に進まず楽しくないと感じることもありますが、この努力こそが犬との楽しい生活をするための近道だと考えています。


「でも、犬を飼ったらスキンシップとりたいし、オテとか教えたいし・・・。」

という気持ちは分ります。私もそうでした。

犬を飼ったらこれやりたいという気持ちが勝ってしまって、本当に大切な部分が置き去りになっていることがありました。


私が研修生時代の話ですが、犬の訓練で犬に物を持ってこさせるとか、障害物を超えさせるとか、見ためにも華やかなこと(応用訓練)をやりたくて、基本訓練はそこそこに自分のやりたい訓練をこっそりやるものの先生に見つかり、よく叱られていました。


基本訓練って、オスワリをひたすらやったり、横について歩くために黙々と地道に歩き続けたり、マテを何度も繰り返したり、地味なことの繰り返しを毎日毎日行います。

やっていると飽きてくるし、しんどいし、面白くないのです。

でも先生は、「応用訓練なんて、基本訓練(基礎)ができていればすぐできることだから、とにかく基本訓練をやりなさい」。

毎日毎日「基本だけやれ」、「基本やれ」の繰り返しです。

「耳にタコができるぐらい何度でも繰り返し基本だけやれ」と、先生も先生の師匠に言われたとおっしゃっていました(笑)


今なら基本の大切さが解るのですが、その当時は何でやってはダメなのか解らず反発する問題児だったと思います。

今はこの分からず屋に根気よくお説教を続けてくださった先生に感謝の気持ちです。



長くなりましたが、結論として、

「犬を飼ったら、スキンシップよりもしつけ優先。とにかく外に出て社会化を」です。

その努力が後から報われますので、根気よく地味な作業を繰り返してください。

楽助

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