老人と犬


おじいちゃん・おばあちゃんが犬を連れてのんびり歩いている姿を見かけると、微笑ましく思います。

老後に犬がいる生活はいろいろメリットがあるそうです。

まずごはんなどの犬のお世話をすることによって、頼られる存在であることを犬から教えてもらえます。

そして、犬のために散歩に行かなければならないので、毎日外に出る機会を与えてくれます。

精神的にも肉体的に健全になるだけでなく、犬との何気ない毎日が生活にハリを与えてくれます。

さらに常に一緒にいてくれる存在がいることは、安心感や幸福感も充実させてくれます。


私も犬のある生活でどれほど救われているかわかりません。実体験からもあり、

ぜひ皆さんに犬のある生活を送って欲しいと思います。

ただ、癒しを求めて犬を飼ったことによるトラブルというのもあります。


例えば、ご老人が仔犬を飼うケースです。

犬を家庭に迎えるのも、里親(仔犬から成犬、老犬含め)になるとか、ブリーダーからという方法もありますが、

ペットショップで仔犬を迎え入れるという選択肢が多いです。


大変失礼とは思いますが、歳をとるとまだまだお元気なのですが、瞬発力の衰えや反応速度の老化、体の可動域の限界というのは明らかに現れてきます。

仔犬の動きは素早いです。仔犬が悪いことをした時はその場でタイミングよく叱る必要があります。タイミングが遅れると、叱ってもあまり効果が得られません。また、逃げ出したときは素早い動きで人間側も対応したり、追いかけて必ず捕まえきることが大切です。

お歳をとると、タイミングよく叱れず逆に犬に反撃されたり、逃げられても犬を捕まえることに時間がかかり犬に遊ばれているなんてことになってしまいます。こういった小さな失敗の積み重ねが犬のしつけが上手くいかない原因となります。犬は主導権をにぎって飼い主の指示に従わずワガママになっていきます。

そして犬は愛おしい家族の一員なんだけれど、ストレスの対象にもなっていくのです。


私が相談にのった話(一部編集あり)ですが、旦那さんを亡くされて独り暮らしのおかあさんのために、離れてくらす息子さん一家から仔犬をプレゼントされたケースです。

ママさん(おかあさん)が一から仔犬のお世話やしつけを独りですることとなり、ママさんは犬に癒される半面、しつけの失敗などにより犬が自分に反発することやそれを解決できないことへのストレスでノイローゼぎみになり悩んでいらっしゃいました。

補足として、この犬が来る前も犬を飼育していた経験はありました。

さらに息子さんが実家に行ったり、逆に犬を預かってお世話したりとお母さんに負担のかからないようにされていました。もしお母さんが亡くなられたときの犬のお世話のことなどのフォローもしっかりされていました。

でも、やっぱり息子さんにも家庭があり、毎日一緒にいるわけではないのでひずみが生じます。

しかも犬は賢いので、ママさんにはワガママで指示にも反発するけど、息子さんには従順で問題のない、いい子になるのです。そうすると、ママさんが「この仔をケージに入れようとすると咬んでくる」という悩みも「素直にケージに入るけど?」と、息子さんには理解できなかったりして、話の内容や犬への接し方のズレがさらにママさんのストレスに変わっていったのでした。


この場合、他人である第3者が介入した方が丸く収まりやすいことが多いです。

家族の言葉は素直に聞けなくても、他人の言葉は素直に聞ける場合があります。

今回のケースは、ママさんには少し休養が必要と判断して、息子さんに犬を預かってもらうこと、その間にしつけを息子さんにやってもらうこととなりました。


息子さんは元々犬好きで犬のお世話やしつけも得意でしたので預かることにはまったく抵抗はありませんでした。

息子さん一家の元で犬にワガママを出させない生活を半年から数か月過ごしてもらい、

悪い癖を忘れさせます。

犬がおりこうになれば、ママさんも犬への接し方が変わり、ストレスなく楽しく暮らしていけます。

今はママさんもストレスから解放されて犬ともいい関係を築けているそうです。

今回は息子さんにお任せしましたが、息子さんが預かるのが無理な場合は

トレーナーの介入が必要になってきます。


長くなりましたが、結びとして、

老人が仔犬を飼うことに反対しているわけではないです。

歳をとってから犬を飼うことには大賛成です。

できれば、仔犬を迎え入れるよりも成犬に近い年齢(できればしつけ済み)の犬を迎え入れた方がいろいろメリットが大きいのではないかという提案です。

もし仔犬から飼いたいのなら、仔犬を迎え入れると同時にトレーナーも迎え入れてください(笑)

もしくは、しばらくトレーナーに預けてしつけを入れてもらい、ワチャワチャの仔犬から少し落ち着いた頃に家に迎え入れることをお勧めします。

家族と一緒に暮らしている場合は、しつけは家族に任せて、散歩とかオヤツを与えるなどの楽しいところだけやって欲しいです。(ただし、散歩で引っ張るなど問題があるのなら散歩もしつけができてからの方がいいです)


私も老後は、犬(老犬)と毎日1日3回から5回ぐらい散歩に出かけてのんびり遊んで暮らすのが夢です。あぁ、早くのんびり暮らしたい・・・(笑)

楽助

犬との暮らしを楽しくお助け、 「楽助」です!! しつけ教室を出張でやってます!愛犬との暮らしを楽しくサポートさせてください!

0コメント

  • 1000 / 1000