「パテラ」とはPatellar Luxationの略で、「膝蓋骨脱臼」のことです。
「膝蓋骨」は膝の皿のこと。
「脱臼」とは骨同士の位置関係がすれてしまうこと。
「膝蓋骨脱臼」を簡単に言うと、膝の皿が外れてしまう症状です。
膝蓋骨脱臼には、外傷性(落下や打撲)と、先天的奇形の滑車溝の欠損や生まれつきの脱臼などの遺伝的要素があります。
小型犬に多くみられるのは、先天的なもので内側に脱臼する「内方脱臼」です。トイプードルやチワワは飼育頭数が多いということもあり、膝蓋骨脱臼になったとよく聞きます。
膝蓋骨脱臼の状態により「グレード1~4」の4段階に分類されます。
ざっくり分類すると、
グレード1 → 脱臼の可能性があるが、日常生活には影響がない。
グレード2 → 日常生活で自然に脱臼することがあるが、元に戻り通常どおりに歩ける。
数か月に1回と時々脱臼する程度。
グレード3 → 脱臼することが多くなる。
グレード4 → 脱臼したままの状態になる。
四肢が湾曲し、かがみ込むような姿勢で膝を曲げた状態で
肢を引きずって歩いたり、脱臼した肢を上げて3本肢で歩行するようになる。
先天的な場合、症状が改善することはないと考えています。(手術等すれば違ってきますが。)
軽度であれば様子見で大丈夫だと思います。(私の無責任な考えなので、心配な方は獣医師と相談することをお勧めします。)
歳を重ねるごとに進行してしまうのは仕方のないことですので、今のグレードをこれ以上なるべく悪化させないように維持することに努めて下さい。緩やかに進行していけるように日常生活でのサポートが大切です。
進行を遅らせるために、適度な運動をお勧めします。
健康の源はいい食事と、毎日の運動。
毎日肢に負担がかからない程度の運動(散歩)が大切です。
筋肉がしっかりついていれば膝の皿がずれないようにサポートする力も強化します。
筋肉がつくような食事の改善や、サプリメントで補うことも必要です。
他にも、居住スペースの工夫も必要です。
滑りやすい床は肢に負担を掛けるので、犬の通るところだけでも部分的にマットを敷くなどの工夫をして、犬が暮らしやすい環境を整えてあげて下さい。
ちなみに、我が家のパピヨンぽんずくん(12歳)も膝蓋骨脱臼です。
獣医師による触診で膝蓋骨脱臼(膝の皿が外れやすいかどうか)かだいたい解るそうで、ぽんずくんも狂犬病予防接種のついでの健康チェックで、膝蓋骨脱臼であることが解りました。
時々何気ない時にキャンって鳴いて片足をあげることがあります。「パテラ外れたなぁ」と様子を見に行くとすでに肢を元通りにしてケロっといるのが現状です。
グレードは2ぐらいでまだ軽度ですが、サプリメントと毎日の散歩でなるべく悪化しないように気を付けています。
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