手術となると心配になってしまうものですが、ここでちょっと注意して欲しいことがあります。
それは、過剰に犬を気遣わないことです。
普段どおりの対応をして下さい。
というのも、犬は空気を察することに長けています。
いつもと違う飼主の態度にこれから何かあるなと気づいてしまい、
これから起きることへの不安で過度の緊張(ストレス)を起こしてしまうかもしれません。
そして、手術後の対応も大切です。病人のようにあつかってやさしい手厚い対応をしてしまいがちですが、しつけが崩れていく可能性を作っている場合があります。
手術前も後も普段どおりを心がけて犬と接することで問題を回避できるでしょう。
手術で獣医師や看護師に愛犬を預ける時ですが、
「頑張ってね」など声をかけて分かれを惜しみ、とても心配そうに送り出してしまうと、犬もその飼主の心配そうな態度に、これから起こることはただ事ではないと不安を強めてしまう可能性があります。
愛犬を不安にさせないために(不安を過剰にかけないために)、犬を預ける時はなるべく普通な感じの態度を心がけて下さい。
トリミングで犬をトリマーさんに預ける感じや、友達に犬を抱っこしてもらう感じで「バイバイ~」と軽い感じのお別れがいいです。
軽い感じでお別れしてあげると犬も飼主と離れるのは不安だなぁぐらいのストレスで済むかもしれません。
手術のお迎えの時も一緒です。
「頑張ったね」といたわりのスキンシップもなしで、過保護に扱わず普段どおりの抱っこでお迎えし、帰宅後も普段どおりにサークルに入れて、放置するぐらいがちょうどいいです。
若いので回復も早いです。帰宅しても普段どおりに元気な犬が多いです。
手術後に傷口を舐めないように術後服やエリザベスカラーを付けられる場合があります。
服を着ると元気がなくなって動かなくなる、エリザベスカラーを付けられて気持ちが落ち込んで動かなくなる犬がいます。
ベッドから動かない愛犬に心配しがちですが、ご飯をちゃんと食べるようであれば心配いりません。
逆に動かないでいてくれた方が傷口の治りも早くなるし楽だと思いましょう。
( ↑ 犬の内容ですが、術後ウェアの写真が猫しかなかったのでこれ載っけときます)
エリザベスカラーを付けられても犬は適応力があり数日で慣れます。エリザベスカラーの分の幅を把握して動き回れるようになりますので特に手助けする必要はないのですが、不具合がある場合は少しだけ手助けしてあげて下さい。
ご飯が食べにくいようであれば、食器を持ったり食器の高さを工夫してあげて下さい。
小回りがきかずにトイレをはみ出す場合は体をトイレに入るようにやさしく動かしてあげて下さい。
家具の隙間に挟まったりして前にも後ろにも身動きできない時も助けが必要かもしれません。
エリザベスカラーは付けていない、服も着ることに慣れている場合でも、
病院へ預けられたことによるショックを受けて落ち込んで(すねて)いたり、痛がりさんの犬も動き出すことに数日かかるかもしれませんが、これも食欲があれば放置でいいと思います。(食欲もなく元気がない場合は、動物病院に相談して下さい。)
お迎えの時から元気で普通に動きまわっている犬もいます。
そんなワンコさんは、人への甘咬みや物にいたずら噛みはいつものように出てきますが、今は手術したばかりだから叱らないで大目に見てあげようなど思ってしまうと・・・。犬はちゃんと人のことを見ています。
「叱られないぞ、やっていいんだ!」と解釈し、そこから少しづつしつけが崩れていくかもしれません。そして抜糸が済むころには噛み癖が悪化しているなんてことも。
手術後すぐだろうと犬がイケナイことをしたら遠慮なく今まで通り叱るなどの対応を徹底して下さい。
ただし、手術後にトイレのしつけが崩れるのは術後の影響で身体的、精神的に影響していることがあるので抜糸が終わる頃までは様子を見てあげて下さい。もし人間が手助けしたり誘導すれば失敗が防げるようでしたらサポートは必要です。
抜糸後もまだトイレが崩れるようでしたら、トイレトレーニングを始めた頃に戻って丁寧なサポートを行えば数日で元に戻るはずです。
手術後にしつけが崩れがちになることが多いのですが、注意点を抑えてもらうことで問題が発生することなくやり過ごすことができます。
注意点のまとめ
・お預け・お迎えは軽めな対応ぐらいが調度いい
・犬の体調は気に掛ける必要はあるが、過保護にする必要はない
・スキンシップはいつもどおりで。ねぎらいのいつもと違う過剰なスキンシップはいらない
・抜糸するまではトイレの失敗があるかもしれないが様子見で
・犬が苦労しても自分で出来ることは助けないが、
普段どおりにできない場面だけは少しだけサポートが必要
・手術後もいつもと同じ対応を。犬がいけないことをしたらいつもどおりちゃんと叱る
人間側の対応次第でしつけが崩れたり崩れなかったりします。
犬はしっかり飼主の行動を見ていますので、飼主は何事にも動じず一貫した態度をとることが大切です。
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