ねずみは多くの子を産み一定期間で膨大に増えるので、その数を計算するねずみ算があります。爆発的に増えることを「ねずみ算式に増える」なんて言ったりします。
ちなみに猫も多産のため、意外にもビックリするぐらい増えるので、それを表現して一部の猫好きさんに猫算なんて言われていたりします。
ちなみに、犬好きさんの間で犬算ともじられていないのは、犬(戌)が安産の象徴とされているほど身近なことだったからかもしれませんね。
ビックリする例として、238匹になってしまった猫の多頭飼育崩壊があります。
2020年札幌市に住む50代夫婦が暮らしていた一軒家で、家賃滞納の件で大家が訪れたことで発覚しました。詳しいことは分かりませんので想像で書きますが、最初は2匹から数匹だったと思います。
繁殖期が訪れ子供を産む。6か月後にはその子供たちも繁殖期が訪れ子供を産む。その後さらにさらに増殖しすごい数に。そして近親交配であることも悲惨さに拍車をかけています。
近親交配を繰り返すので、虚弱体質や視力がないなどの先天的な疾患を持って生まれてくる子も出てきます。
多頭飼育崩壊は一般的に十数匹から数十匹程度なので、200匹以上の多頭飼育崩壊は稀なケースです。犬も数十匹程度の多頭飼育崩壊が多いのですが、2020年島根県で164頭の飼育崩壊がありました。
この多頭飼育崩壊の例を見るだけでも避妊去勢手術の必要性を感じて頂けたと思いますが、
さらに恐ろしい事実、猫算についてお伝えします。
はじめに、猫算式に増える前提は家猫であるということです。
ノラ猫さんの場合は、家猫と同じ頭数産んだとしてもその子供たちが無事成猫になる確率は低いです。半数生き延びればいい方ではないでしょうか(地域によるので何とも分かりませんが)。死亡の原因としては、交通事故、栄養失調、熱中症や低体温、ケガ、病気、カラスに襲われるなどです。
家猫の場合、食糧が不足することはなく、事故にあうことも雨風暑さ寒さもしのげるので仔猫が死亡するリスクがほとんどありません。生まれた頭数がほぼ成猫になれるのです。
猫算を計算してみると
(繁殖は1年に2回、6か月周期
子供の数は5匹、そのうちメスは2匹という条件で計算してみました。)
① 最初は2匹のオスとメスの仔猫だけでした。
生後6か月ごろから繁殖期になり5匹(オス×3匹、メス×2匹)出産しました。
成長し生後6か月後にはその子供たちも繁殖可能になり、
② 親猫ペアが5匹、娘1が5匹、娘2が5匹出産して計15匹(3×5)。
ここまでで、だいたい2匹の仔猫を迎い入れて1年ぐらい経過しました。
親2匹と仔が30匹の合計32匹の大家族になりました。
その6か月後には、
③ 親猫ペアが5匹、娘1が5匹、娘2が5匹、
②の時の親猫ペアの娘aが5匹、娘bが5匹、
娘1の娘cが5匹、娘dが5匹、娘2の娘eが5匹、娘fが5匹、計45匹(9×5)
④ 次の6か月後は計90匹(18×5)生まれます
親猫を迎えて約2年で167匹の大所帯となりましたとさ。
① の段階で親猫と子供の7匹を去勢・避妊手術しておけばまだ踏ん張れたかもしれません。
希望は親猫になる前に2匹を去勢・避妊手術しておくのがベストな選択だと思いますが。
②の段階でもまだここで保護団体に助けを求めることができていれば最悪は免れていたでしょう。
猫を飼う時に猫算式に増えることを知っていたならば安易に子供を産ませたいと思わないでしょうし、愛猫に避妊・去勢手術を受けさせることへの罪悪感はかなり薄くなるのではないでしょうか。
それに避妊・去勢手術をするメリットは他にもありますし、私は手術することをお勧めしています。
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