蚊、ダニ、と来たら次はやっぱりノミだろうと言うことで、今回はノミのことを書こうと思います。
ついでに蚊に気を付けないといけないのかを書いてなかったので、蚊が媒介するフィラリア症についても紹介します。
ノミの被害
貧血
ノミが数匹なら吸血されても微々たるものですが、大量に寄生されると貧血を起こします。
今はほぼ室内で暮らしているので、ノミの大量付着など想像もつかないかと思いますが、
保護犬を保護したらノミ・ダニが大量に寄生して貧血しかかっていたなんて話は聞いたことがあります。昔の外飼いがメジャーな頃はノミ・ダニの大量付着は普通にあったと記憶しています。
ノミアレルギー皮膚炎
ノミが吸血するときに吐き出す唾液がアレルゲンとなり、強いかゆみを引き起こします。
皮膚を搔き続けるので、炎症を起こし細菌や真菌などの二次感染がおこりさらにさらに掻き続け、悪循環が続きます。
寄生虫(瓜実条虫)
無症状の場合が多いが、多数寄生されると、体重が減る、下痢、嘔吐などがあり、
仔猫の場合は死亡することもある。
後、何と言っても見つけた時はビックリするかも。
愛犬の肛門付近に小さい白いものがうねうね動いていたり、糞便に米粒ぐらいの白いものがついてたらそれだと思って下さい。
瓜実条虫(サナダムシ)にとってノミやハジラミと、犬・猫(まれに人間)は両方必要な存在です。
犬・猫は最終的な宿主(終宿主)であり、ノミを食べたり、人がノミを潰した時の体液を舐めてしまうことにより感染します。
ノミは一時的な宿主(中間宿主)で体内には瓜実条虫の幼虫が寄生しており、犬の腸内に運ばれることで成虫となります。体の一部(切片)を切り離しは犬の糞便とともに外へ。その切片には瓜実条虫の卵が含まれており、それをノミが食べてまた犬・猫へというサイクルの出来上がりとなります。
※ノミを捕まえても潰すことはせず、洗剤を少しいれた水に入れて溺死させてしまうことをお勧めします。潰して寄生虫の卵を出さないため。
動物病院でノミも寄生虫も駆除出来るので見つけたら処置してもらって下さい。
蚊の被害
フィラリア症(犬糸状虫症)
蚊が媒介することで起こる犬糸状虫という寄生虫の病気ですが、きちんと予防すれば感染を防げるので怖い病気ではないです。
予防方法は、血液検査をして陰性を確認したのち、
月1回薬(駆虫薬)を飲むか、注射をするか、皮下に薬を垂らすなどがあります。
ちなみに、予防薬を投与する前に血液検査をするのは、フィラリアに感染した犬に予防薬を投与するとショックを引き起こす可能性があるためです。
感染経路
フィラリアに感染した犬のフィラリアの幼虫(ミクロフィラリア)を含んだ血液を吸血した蚊が、他の犬の血液を吸血する時にミクロフィラリアを移行することで感染します。
蚊はさらにミクロフィラリアを運び、今犬の体内にいるフィラリアと運ばれてきたミクロフィラリアが(6か月で)成虫になり出会うことで繁殖し増殖していきます。
このサイクルを繰り返すことで心臓に寄生するフィラリアの数が増加し重症化していきます。
症状
心臓や肺動脈に寄生するので心不全や肺障害を起こします。
初期症状は呼吸が浅く、早くなり、時々咳をし、痩せてきて、疲れやすくなります。
末期には、貧血、カラ咳を繰り返し、お腹に水が溜まった腹水が見られ、呼吸はかなり苦しそうになります。
フィラリアに感染した場合
処置としては、初期の軽症の場合は寄生しているフィラリアの数も少ないことから、新たなミクロフィラリアの侵入を阻止し、今体にいるフィラリアの寿命(5~6年)を待ちます。
駆虫薬によりフィラリアを死滅させることもできますが、死んだフィラリアが血管に詰まるなどの危険性もあるため様子をみながら進めることと、この治療に耐えられると判断した犬がこの治療の対象となります。
フィラリア症は時間をかけて進行するため、急に倒れたり状態が急変する場合は緊急のオベが必要になる場合があります。右心房にいたフィラリアが移動し心臓の弁の働きを阻害することで血流が乱れ急激に悪化し、死亡することもあります。
外科手術でフィラリアを摘出するのですが、完全に取り除くことは難しいので治療は続きます。
予防すれば防げる病気ですが、うっかり投薬日を忘れてしまうことってありますよね。
でも過剰に心配する必要はありません。まずは獣医師と次の予防計画について相談して下さい。すべての蚊がミクロフィラリアを保有しているわけではないですし、感染率は室内飼いで約4%、外飼いだと20~40%なんだそうです。
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